2022/08/17

地域と特産品

「岩手・花巻を若者が誇れる街に」トルクスト高橋亮さん 特別インタビュー|花巻のクラフトビールが生まれたストーリー



株式会社トルクストの社長・
高橋 亮(たかはし とおる)さん。

「Lit work place(リットワークプレイス)」
「Joe's Lounge(ジョーズ ラウンジ)」
など、
岩手県でオシャレな飲食店を多数運営する若手経営者です。



『岩手めんこいテレビプレゼンツ 大切な人への贈りもの のどごし爽快クラフトビールBox』の中でトルクストのビールを取り扱うことになったご縁で、このたび特別インタビューを実施しました。

トルクスト高橋さん画像(加工済).jpg


見えてきたのは、明るく謙虚な性格・地域創生へのアツい想い・出会いを大事にする姿勢。

地方特産品を取り扱い偶然の出会いをプロデュースするtamaponGiftと一部重なる部分もあり、
驚きと発見の多い貴重なお話を伺うことができました。

今回の記事では、そのエッセンスを凝縮してお届けします。




元来のチャレンジングな性格を生かし、大工も飲食もビールも何でも「やってみる」

高橋さんは、ご自身のことを「あまり落ち込まない性格」と公言します。

学生時代にハマったスノーボードで9回もの手術をしたことについても「自分でやったことだから仕方ないよね」と話し、あっけらかんと笑う姿には驚きました。ケガの怖さよりもスノボの楽しさのほうが断然大きく、ずっと情熱を持って続けられていたのだと言います。


実は飲食の仕事も、好きで始めた訳ではなかったそう。

単純にスノボを続けるために始めたことでしたが、「やったら楽しめた」
どんな行動でも楽しんでしまうのが、高橋さんの大きな強みなのかもしれません。


"何でもやってみる"がモットーで、大工仕事を学んでお店を自分でリノベーション・DIYしたり、店舗を増やしたりビールを作ってみたり。「経営は失敗してもケガをする訳でもなく、怖くない」と語ります。

今では大人気商品となったクラフトビールも、実は勢いで始めたそう。
「こんなのが花巻にあったらカッコいいな」と思ったら実際にやってしまう行動力は、常人には信じられません。

トルクストビール.jpg

 


リノベ・DIYで地域活性化「若い人に響いてほしい」「今いる人達が楽しく生活できるように」

高橋さんがスノーボードをしながら全国を回っていた頃、多くのスノボ仲間と話す機会がありました。
皆が地元自慢をする中で、高橋さんは出身の花巻に誇りを持てていないことに気づきます。

その後、飲食店で雇ったアルバイトの若者達も「将来は市外・県外に行く」と話しているのを目の当たりにし、危機感を覚えます。

「若者が誇りを持てる街にしたい」
「いったん離れたとしても戻ってきたくなる場所にしたい」
「花巻になら住んでみたい、と思ってくれる人を増やしたい」
そんな想いを抱きながら仕事の幅を広げ、複数の飲食店の経営をするようになったそうです。


とは言え、「地域復興」「花巻を元気にする」という言い方には少々疑問もある様子。

現代日本は少子高齢化が進み、どの地方都市でも過疎化・衰退化が進んでいます。

「無理に人口を増やしたり昔の状態を取り戻そうとしたりするのではなく
"その中でもちゃんと生活できる、楽しい暮らしをつくること"
が重要なのでは?」

と主張します。


空き家が増える状況を逆手に取ってリノベーションするのも、オシャレなお店を運営するのも、
花巻を魅力的な場所にするため。

「まだまだできることはある」と高橋さんは言います。

トルクストビール2.jpg

 

 

 

「敢えて自分と違う人達とも付き合う」出会いを大事に、視野や可能性を広げていく

高橋さんとお話してみて1番印象的だったのは、これだけのことを成し遂げているにも関わらず全く嫌味がなく、謙虚で奢らない姿勢でした。もしかすると、スノボでプロを諦めた挫折経験があるからなのかもしれません。

「僕は不器用で。頭も運動もピカイチではありませんし、何かの専門家や特別秀でている存在でもありません。ダメだと分かっているから、人一倍やるんです。諦めなければいつかできるから」
というセリフに、熱いものを感じました。


経営者のため元々交友関係は広いものの、ある時思い立って変えたのだと言います。
「同じような人達とつるんでばかりいたら視野が狭くなる」
「世の中にはまだまだ広い世界があり、自分にわからないこと・全く思いつかないこともたくさんある」

確かに人は歳を取るほど頭が硬くなり、考え方も固定化されてしまいがちです。
敢えて変化を求める高橋さんの姿勢は、tamaponGiftの特徴である"偶然の出会い"と重なるところがあると感じました。


「"花巻にあったらおかしい"と思うようなものをつくりたい」
そんな展望もお聞きして、高橋さんや花巻市の今後が非常に楽しみになりました。



たまぽん通信編集部 sugamari


引用・参考文献
Lit work place【公式】
BrewBeast【公式】
花日和 令和2年春号 - 花巻市
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第237回 笑っていいとも in 花巻 トルクスト 代表取締役 高橋亮様