2022/12/06

石川県

万能調味料『いしる』とは?石川県・能登半島エリアの伝統的調味料| 毎日の料理を一層美味しく♪ 人気レシピもご紹介!

皆さん、『いしる』をご存じですか? 使ったことはありますか?

毎日のお料理をぐっと美味しくしてくれること間違いなしの万能調味料『いしる』


この記事では『いしる』について、産地や製造方法・オススメの使い方までご紹介したいと思います!



『いしる』って何? 

『いしる』とは、魚介の身や内臓を塩漬けし熟成した魚醤油(うおじょうゆ)です。

石川県の能登半島周辺で作られている伝統的な調味料。
秋田の『しょっつる』、香川の『いかなご醤油』と共に「日本三大魚醤(ぎょしょう)」と呼ばれています。

魚醤油といえば、タイの『ナンプラー』やベトナムの『ニョクマム』も有名ですね!




『いしる』に近い呼び名で、『いしり』という名前を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。これら2つは材料に違いがあるそうで、『いしる』はいわしをメインとした魚、『いしり』はイカが材料です。

『いしる』『いしり』は共に石川県で作られていますが、厳密には作られている地域が違います。

『いしる』は石川県輪島市の輪島港や珠洲市(すずし)の蛸島漁港(たこじまぎょこう)・志賀町(しかまち)の福浦港(ふくらこう)といった場所で、『いしり』は能登町の小木港(おぎこう)・宇出津港(うしつこう)などで作られているそう。それぞれの港で漁獲量が多い魚介類を原材料にしたようです。



醤油は穀物を材料として塩と糀で発酵させて作られているので、材料や製法に違いがあります。

一般的な醤油は奈良時代頃から使われているそうですが、『いしる』の原型となる魚醤は弥生時代頃から使われていたとのこと。果たして『いしる』がいつから作られていたかは不明ですが、江戸中期以降(1700年代の後半)には既に知られていたという説があるようです。





気になる『いしる』の製造方法は?

生産者によってそれぞれこだわりがあり製法も味も少しずつ違っているそうですが、例えば『いしり』であれば「ゴロ」と呼ばれる真いかの内臓を取り出し、塩を入れて漬け込み、自然発酵・熟成させることは共通しています。



伝統の製法を受け継いで仕込み、1~3年ほどかけて作られたものが販売されるという流れです。





いちおしの使い方! 『いしる』を普段使いするママが美味しいレシピをご紹介

大さじ一杯使うだけで味に深みが出て、毎日のお料理がぐっと美味しくなる『いしる』!

使い方は本当に豊富ですが、特に私がお気に入りのレシピを2つほどご紹介します。


1. 豚こまの黒酢炒め

「お肉を炒めて下記調味料で味付けするだけ!」という簡単メニュー。とても美味しいです!

 

【豚こま肉300gの場合】

・醤油・いしる各小さじ1
・みりん・黒酢各大さじ1
・油小さじ1〜2
・塩ひとつまみ
・片栗粉大さじ2



2. 唐揚げ

鶏もも肉にいしるを揉み込み(つけ込み不要)、通常の方法で片栗粉を付けて揚げるだけ。
子どもも大喜びの一品が簡単に出来あがります!

 

この他にも肉じゃが、鶏チャーシュー、だし巻きたまご、お味噌汁、炊き込みご飯など、使い道は色々。
簡単なのに美味しいメニューがすぐに作れます。これは使わない手はありません!





私は2年ほど前に、友人の勧めがきっかけで使い始めました。期待以上の美味しさでマンネリしがちな日々のメニューに新鮮さを運んでくれるので、今では我が家に欠かせない調味料となっています。

 

和食との相性が良いのはもちろんですが、エスニック系のお料理にも使えるなど本当に万能です!




更に『いしる』には肝臓や血管の機能向上、疲労の回復、肌の保湿などの効果が期待できる成分・「遊離アミノ酸」が多く含まれており、自然万能調味料として見直されてもいるのです。

様々なメリットがある『いしる』を、是非一度お試しください。




ライター:たまぽん通信編集部 佐藤





能登の魚醤油(うおしょうゆ)「いしり物語」公式サイト - 「いしり」とは? (ishiri.jp)

日本三大魚醤「いしる」とは?特徴を解説! | クラシル

魚醤とは - コトバンク

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