人気漫画「鋼の錬金術師」の作者である、荒川弘先生による酪農青春グラフィティ「銀の匙Silver Spoon」。コミックスの累計販売数は、1,200万部を超える大ヒット漫画です。

「酪農」という、身近ながらあまり想像がつかない世界が、主人公八軒勇吾の成長を通してリアルに描かれています。

物語の舞台は、北海道道東の中心地で、酪農が盛んな地域としても知られる「帯広」。この記事では、帯広にある「銀の匙Silver Spoon」の聖地5カ所をご紹介します。

「銀の匙」の作品概要

・原作者　荒川弘(小学館「週刊少年サンデー」連載)

・単行本　少年サンデーコミックス

・制作会社　A-1 Pictures

・監督　伊藤智彦　出合小都美

・脚本　岸本卓

・放送期間　第1期： 2013年7月～9月、第2期： 2014年1月～ 2014年3月

・話数　第1期：全11話、第2期：全11話　

・PV：
放送情報 ｜ TVアニメ「銀の匙

「銀の匙」のあらすじ

札幌の進学校に通っていたものの、高校受験での過度な競争により挫折を味わった主人公八軒勇吾。高校受験に疲れた勇吾は、「寮があるから。」という理由で酪農科があるエゾノー（大蝦夷農業高校）へ入学します。

農業に縁もゆかりもない勇吾にとって、エゾノーでの学校生活は初めての体験だらけ。酪農の世界の厳しい現実を目の当たりにしながらも、勇吾は農家出身の同級生たちと一緒に、ひとつずつ困難を乗り越えていきます。

ある日、同級生駒場一郎の実家が経営する牧場が、経営難のため倒産してしまいます。駒場の牧場の倒産は、同級生達に暗い影を落とすのでした。そんな中、勇吾は駒場のように倒産する農家を出さないために、農業経営を学ぶことを決意します。 そして、 2年生になった勇吾は起業することを決め、「絆の農業ビジネスプロジェクト」を立ち上げますが...

酪農学校を舞台に、「命をいただくこと」「食べること」を深く考えさせられる青春アニメです。

農業高校出身！？荒川弘先生とは

作者の荒川弘先生の出身は、北海道広尾郡忠類村（現・中川郡幕別町）。

先生自身も農業高等学校を卒業しており、卒業後数年間は、漫画を描きながら家業である酪農と畑作農業を手伝っていたのだそうです。

エッセイ漫画「百姓貴族」には、家業を手伝っていた頃の自身の体験談が描かれています。銀の匙と並行して作られたこの漫画は、主人公が牛人間というコミカルなタッチで描かれながらも、「日本の酪農や耕作の実態」といった深いテーマについて触れられている作品です。

銀の匙と合わせて読むのもおすすめですよ。

モデルとなった聖地5つを詳しくご紹介 

ここでは、アニメのモデルとなった、帯広にある5つのスポットをご紹介します。

■帯廣農業高校

作中で勇吾が通う、「大蝦夷農業高校」のモデルになっているのが帯廣農業高校です。

敷地面積は、110ヘクタールと全国第2位の広さ！設置学科は農業科学科、酪農科学科、食品科学科、農業土木工学科、森林科学科の5つの学科があり、酪農業に関するあらゆることが学べる大学です。

作者の荒川先生の母校でもあり、育成寮の食堂入口には荒川先生から送られた「銀の匙」が飾ってあるそうですよ。

住所: 〒088-0834北海道帯広市稲田町西1線9
https://goo.gl/maps/noPg2pCRJVEMBWzE9

■JR帯広駅周辺

JR帯広駅は、第10話で、兄・慎吾の東大受験の虎の巻を探すため、実家に帰る勇吾が利用していました。勇吾が信号待ちをしている場所などが忠実に描かれています。

帯広駅には、道内各地から特急や急行列車が集まる拠点です。駅周辺には飲食店なども多く立ち並んでいます。

住所：〒080-0012 北海道帯広市西２条南１２丁目

https://goo.gl/maps/KRMxgUMiE8HbaXFC6

■帯廣神社

漫画で登場する「大蝦夷神社」のモデルとなっているのが、帯廣神社。勇吾と御影が初めて2人きりで行ったデートのシーンで登場しました。参道や正門、本殿、珍しい馬のコマなど、作中に登場する場面と実物の風景がぴったり合致します。

帯広神社のご祭神である大那牟遅神は、縁結びにご利益があるそうです。作中で登場した、馬の形をした絵馬も販売されているので、聖地巡礼の記念に購入してみてもいいかもしれません。

約1万坪の広々とした境内は、緑豊かで静かなので、ゆっくりと散策するのがおすすめです。

住所：〒080-0803 北海道帯広市東 3条南2丁目1番地

https://goo.gl/maps/W9Zqrxa3s7KgBWQv9

■緑ヶ丘公園（グリーンパーク）

ギネスにも登録されている、世界一長いベンチがある緑ヶ丘公園。 8話内で、勇吾と御影がベンチに座って、2人きりで話すシーンで登場しました。

広い園内のため、作品と一致するスポットを見つけるのは大変かもしれませんが、噴水周辺の風景がよく似ています。

約50ヘクタールもの広大な園内には、動物園や美術館などがあり、1日中いても飽きません。運が良ければ、エゾリスやシマエナガなど北海道ならではの動物達に会えるかもしれませんね。

住所：〒080-0846 北海道帯広市緑ケ丘2

https://goo.gl/maps/cDxbU4orshPDBDtz6

■帯広競馬場（ばんえい十勝）

銀の匙の聖地として欠かせないのが、日本で唯一のばんえい競馬場である、「帯広競馬場」。第5話で、ジョッキーに憧れる御影が、勇吾を誘って一緒に訪れた場所です。もちろん、2人が食べた豚丼やラーメンもあります。

ばんえい競馬とは、重さ1トンもの競走馬がそりを引きながら力やスピードを競う障害レースで、その迫力には圧倒されます。敷地内には、十勝の新鮮な食材が揃うマルシェや、ミニ動物園もあり、レースがない日でも十分楽しめますよ。

住所：〒080-0023 北海道帯広市西１３条南９丁目１

https://goo.gl/maps/mmvfFGNJ43GAQoYU6

聖地巡礼の際は注意点を守って

以上、銀の匙の聖地巡礼スポット5つをご紹介してきました。酪農王国である十勝地方は、北海道の中でも自然豊かで美味しいもので溢れた地域の 1つです。ご紹介した聖地以外にも、北海道らしさを味わえる観光スポットがたくさんあるので、ぜひ訪れてみてくださいね。


なお、2013年に、牧場などの聖地巡礼を控えるようにと、銀の匙番組サイドが聖地巡礼自粛を視聴者に求めました。特に、観光地以外の牧場を許可なく訪れるのは、防疫の観点からみると、とても危険です。

酪農従事者のかたに迷惑のかける行動は避け、観光地となっている聖地を巡礼する際も、マナーを守って行動したいものですね。

ライター：たまぽん通信編集部　いなば

参考文献

銀の匙 Silver Spoon聖地巡礼・ロケ地！アニメロケツーリズム巡りの場所や方法を徹底紹介！

https://mangapedia.com/荒川弘-cfmt8fq1w

イントロダクション ｜ TVアニメ「銀の匙 Silver Spoon」 公式サイト

【銀の匙】酪農漫画の最高傑作！聖地巡礼は禁止だけど...

ばんえい十勝