2023/06/19
北海道
北海道が舞台(ロケ地・聖地)となってる映画7選をご紹介〜定番からマニアックな映画まで〜
広大で自然豊かなことから、多数の映画の舞台となっている北の大地、「北海道」。
北海道らしい雄大な田園風景や雪景色を求めて、戦後以降500本以上の映画が撮影されているそうです。
今回は、北海道がロケ地となった定番の映画から、あまり知られていない映画まで、筆者のおすすめ映画を7つご紹介します。
1.Love letter
■作品概要
監督・脚本...岩井俊二
公開...1995年3月
■あらすじ
婚約者の藤井樹を山岳事故で亡くした渡辺博子(中山美穂)は、樹への忘れられない思いから、3回忌のあとに彼が昔住んでいた小樽へと手紙を出した。
すると、来るはずのない手紙の返事が戻って来て、博子は驚く。返信の相手は、婚約者である樹の同姓同名である女性、藤井樹からだった。樹が婚約者のクラスメイトだったことを知った博子は、中学生時代の樹のことをもっと知りたいと手紙を書く。そこから2人の女性の不思議な文通が始まるのだった。
■見どころ
1993年に放送されたTVドラマ「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」で日本映画監督協会新人賞を受賞した、岩井俊二監督の長編デビュー作。婚約者を失った博子とその婚約者と同姓同名のクラスメイトだった樹を中山美穂が2役演じています。
舞台は主人公2人の自宅がある小樽と神戸。撮影の中心となったのは、日本銀行旧小樽支店(小樽市指定有形文化財)をはじめとする、近代建築群が立ち並ぶ小樽の中心エリアで、異国情緒溢れる街並みが印象的です。小樽の純白で凛とした雪景色が、主人公博子の亡き恋人への切ない思いと相まって、心揺さぶられる作品です。
■舞台となった場所
・藤井樹(中山美穂)が働いていた「小樽市図書館」(小樽市 旧日本郵政(株)小樽支店 )
・博子(中山美穂)の神戸にある邸宅(小樽市 旧寿原邸)
・秋葉茂(豊川悦司)と博子が小樽ガラス工房を探していた場所 (小樽市 運河プラザ前の歩道)
2.鉄道員(ぽっぽや)
■作品概要
監督...降旗康男
原作...浅田次郎
脚本...岩間芳樹 降旗康男
公開...1999年6月
■あらすじ
雪深い町南富良野のJR幾寅駅で、駅長をつとめる佐藤乙松(高倉健)。廃線が決まり、ホテルへの再就職をすすめる同僚の杉浦(小林稔侍)の誘いを断った乙松は、定年を前に、自身の「鉄道員」としての人生を振り返る。
不器用なほどまっすぐで、仕事に愚直だった彼は、幼い一人娘を亡くした日も、愛する妻を亡くした日も、休むことなくずっと駅に立ち続けた。ある日、いつものようにホームに立つ乙松の元に、1人の少女がやってくる。その幼い手に握られていたのは、乙松が昔一人娘の雪子に渡した人形にそっくりだった...
■見どころ
「幸福の黄色いハンカチ」や「網走番外地」など北海道がロケ地となる映画に多数出演している名優・高倉健が主演をつとめた、言わずと知れた人気映画です。
映画に登場する幌舞(ほろまい)駅は、ローカル線で無人駅となったJR根室本線幾寅(いくとら)駅として実在し、ノスタルジックな雰囲気が漂う駅舎内には、撮影時に使用されたセットも当時のまま保存されています。
ローカル線の廃線とともに、自らの人生も終えようとする乙松の最期が垣間見える、映画ファンにとってはまさに「聖地」といえる撮影スポットです。
■舞台となった場所
乙松が駅員をつとめる、幌舞駅 (空知郡南富良野町 JR根室本線の幾寅駅
)
3.旭山動物園物語 ペンギンが空を飛ぶ
■作品概要
監督...マキノ雅彦(津川雅彦)
原案...小菅正夫
公開...2009年2月
■あらすじ
施設の老朽化と来場者数減による経営難で、閉園の危機に直面していた旭山動物園。
動物が大好きで情熱に溢れる滝沢園長(西田敏行)は、そんな旭山動物園の危機を救おうと日々奔走していた。ある日、園長のもとに虫は好きだが人付き合いは苦手な青年、吉田(中村靖日)が新人飼育係として配属される。園長や係員たちは、動物の習性や特徴を飼育係が直接入園者に説明するなど、自分たちでさまざまな試みを工夫しながら、市民の支持を取り戻そうとするが......。
■見どころ
動物の生態がそのまま見られるよう、できるだけ自然に近い状態で飼育する「行動展示」が有名な旭山動物園。
客数減により、一時は閉園の危機にまで追いやられた動物園が、年間300万人もの来場者数を誇るまでに成長する物語が、実在の滝沢園長らをモデルに描かれています。今や定番となっている360度見渡せるペンギンの水中トンネルや、ホッキョクグマ館など、映画を見てから動物園を訪れれば感動もひとしおです。
■舞台となった場所
・旭山動物園(旭川市東旭川)
4.探偵はBARにいる
■作品概要
監督...橋本 一
原作:東 直己 ススキノ探偵シリーズ「バーにかかってきた電話」(ハヤカワ文庫)
脚本...古沢良太 須藤泰司
公開...2011年9月
■シリーズ1あらすじ
札幌・すすきのにある「BARケラーオオハタ」で私立探偵を生業としている探偵・俺(大泉洋)は、"コンドウキョウコ"と名乗る女から電話で仕事の依頼をうける。簡単な仕事だと思い、一旦は引き受けたが、その後誘拐されたり、雪に埋められて殺されかけるなど次々に事件に巻き込まれていく探偵。
「これ以上事件に関わるな」という脅迫に危険を感じながらも、探偵は助手の高田(松田龍平)と、裏で糸を引く人物に反撃を試みる。"コンドウキョウコ"について調査を進めるにつれ、謎の美女・沙織(小雪)と大物実業家・霧島(西田敏行)という人物の存在、そして過去の殺人事件が関連している事実に辿り着く。"コンドウキョウコ"の正体とは?そして探偵を追い詰めている黒幕は誰なのか?
■見どころ
札幌在住の作家・東直己の推理小説『ススキノ探偵シリーズ』を原作とする、探偵映画3部作。ハードボイルドな内容ながらも、北海道出身の代表的な俳優の1人、大泉洋扮する探偵と、松田龍平演じる高田の凸凹コンビの演技がひかり、どこかクスッと笑ってしまう映画です。
残念ながら、劇中で登場する「BAR一慶」や「喫茶モンデ」は既に閉店していますが、すすきの交差点や狸小路など映画の重要シーンで登場するスポットもたくさんあります。
ロケは主に、すすきのを中心とした札幌市内で行われているので、札幌市を地下鉄や徒歩で観光しながら聖地巡礼をするのも楽しいかもしれません。
■舞台となった場所
・探偵が拠点としていた「BARケラーオオハタ」(札幌市中央区南)※既に閉店
・俺(大泉洋)と高田(松田龍平)が仲良くラーメンをすすっていた「三角山五右衛門ラーメン」(札幌市中央区南)
・2作目のクライマックスに迫るシーンで登場「狸小路」(札幌市中央区南)
・「すすきの交差点」(札幌市中央区南)
5.北のカナリアたち
■作品概要
監督...阪本順治
企画...黒澤満
プロデューサー...國松達也 服部紹男
公開...2012年11月
■あらすじ
北海道最北端の離島にある分校へ赴任することになった、小学校教師の川島はる(吉永小百合)。生徒数わずか6人の小さな分校ながらも、合唱を通して、はると生徒たちは心を通わせていった。しかし、ある衝撃的な事件をきっかけに、はるは離島を離れざるを得なくなる。この事件は、はるを母親のように信頼していた生徒たちの心にも、暗い影を落とすのだった。
20年後、東京で暮らすはるは、かつての教え子が事件を起こしたことを知る。事件の真相を知るため、礼文島を訪れ教え子たちに20年ぶりに再会したはるは、当時彼らが抱えていた葛藤を知ることとなり...
■見どころ
湊かなえ著「往復書簡」の中の「二十年後の宿題」を原案とした、ヒューマンサスペンス映画で、第36回日本アカデミー賞 の優秀賞を総なめした作品です。舞台は、日本最北端の地である稚内や、利尻島、礼文島といった離島。
劇中では、真冬には-20℃にもなるという北海道の離島の美しくも、厳しい自然の様子が描かれています。映画を記念して設立された礼文島の「北のカナリアパーク」では、実際に撮影で使用された校舎を見学できるほか、利尻富士を眺めながらカフェなども楽しめますよ。
■舞台となった場所
・生徒たちの通った「麗端小学校岬分校」(礼文郡礼文島 北のカナリアパーク)
・はると生徒たちが「あの青い空のように」を歌うシーン(利尻利尻富士町 富士野公園)
6.糸
■作品概要
制作会社...ファインエンターテイメントツインズジャパン
監督...瀬々敬久
脚本...林民夫
公開...2020年8月
■あらすじ
中島みゆきのヒット曲「糸」をモチーフに、幼馴染みの男女の18年間の恋愛を描いた物語。北海道で生まれた高橋漣(菅田将暉)は、13歳のとき園田葵(小松菜奈)と出会い初めて恋をする。ある日、漣は葵が義父から虐待を受けていることを知り、2人で駆け落ちをすることに。しかし幼い2人の逃避行は失敗に終わり、葵は母に連れられ北海道を去ることに。
離れ離れになった2人だったが、8年後友人の結婚式で偶然再会する。長い空白を経て、漣は北海道を出ることなく職場の同僚と結婚してチーズ職人に、葵は年上の恋人と東京や沖縄へと拠点を移すなど、既にそれぞれの人生を歩み始めていた。しかし、さらに10年の時が経った平成最後の年、2人の運命の糸は奇跡的に交わろうとするのだった。
■見どころ
函館市や上川・十勝・空知管内など道内各地で撮影されており、漣(菅田将暉)と葵(小松菜奈)の恋愛物語に思いを馳せながらロケ地巡りを楽しめます。更別町にあるチーズ工房「NEEDS」も人気のロケ地の1つ。劇中で、漣が働いていたこの工房は、道内の空港でも商品が置いてある人気のチーズ店です。直売場には、ロケの様子を撮った写真が飾られています。
この作品の公開1年後に、菅田将暉は実生活でもパートナーに。直売所で販売されている濃厚なチーズ入りソフトクリームを頬張りながら、主人公達が過ごした十勝の自然の素晴らしさを感じてみるのも良いですよ。
■舞台となった場所
・葵の実家(美唄市南美唄町)
・漣が働いていたチーズ工房(中川郡幕別町 チーズ工房「NEEDS」)
・漣が香と食事をするバー(帯広市 「BAR909(バー・ナイン・オー・ナイン)」)
・葵と漣が再会する函館のフェリーターミナル(函館市港町)
7.ホテルローヤル
■作品概要
監督...武正晴
原作...桜木紫乃
脚本...清水友佳子
公開...2020年11月
■あらすじ
ラブホテルを経営する一家の一人娘として生まれた田中雅代(波瑠)。美大の受験に落ちた雅代は、実家の仕事を渋々手伝う羽目になる。ホテルには日常の中でさまざま事情を抱えた客が集まり、それぞれの物語が展開される。
そんな時、ホテル内で心中事件が起こり、経営者である父・大吉(安田顕)も病で倒れてしまう。一人になった雅代はホテルをたたむ決心をし、幼い頃から憧れていた聡史(松山ケンイチ)に思いを伝えようとするが...
■見どころ
原作は累計発行部数85万部を超えた直木賞の受賞作。2012年まで釧路に実在していたラブホテル「ホテルローヤル」を舞台に、異色の環境で育った主人公の葛藤と、ホテルを訪れる人たちの人間模様が、切なくもコミカルに描かれています。
閉塞感のあるラブホテルとは対照的に、雄大で緑豊かな釧路湿原の風景が登場するシーンも見どころの1つ。釧路市民にはお馴染みの観光スポット、幣舞橋や和商市場も登場し、どこかレトロで郷愁的な港町釧路の様子を知ることができますよ。
■舞台となった場所
・大吉(安田顕)が経営していた「ホテルローヤル」※現在はホテルバッキンガム(釧路郡釧路町 ホテルバッキンガム)
・雅代(波瑠)がみかんを買うシーンで登場する八百屋(釧路市黒金町 「和商市場」)
・雅代の部屋・ホテルの事務室・ボイラー室(札幌市南区)
以上、北海道を舞台とした映画を7つご紹介しました。北海道を訪れた際には、ぜひロケ地まで足を伸ばしてみませんか。
※掲載した情報は2023年1月現在のものです。
参考文献:
釧路が舞台の波瑠主演映画「ホテルローヤル」のロケ地はどこ?撮影裏話も - 北海道Likers
<デジタル発>映画「糸」 道内ロケ地を巡る:北海道新聞デジタル
旭山動物園物語 ペンギンが空をとぶ : 作品情報 - 映画.com
北のカナリアパーク|観光スポット|【公式】きた・北海道/稚内・利尻・礼文の観光WEBサイト
https://www.hokkaido-roadster.com/北海道ロケの映画/
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