2023/07/06

地域とコンテンツ

「この世界の片隅に」に登場する広島県・呉市の聖地5スポットを紹介!

広島県出身の漫画家・こうの 史代先生によって「広島と戦争」をテーマに描かれたこの世界の片隅に

激しく繰り広げられる戦争に焦点を当てながらも、主人公である「すず」がたくましく生きていく姿や、戦時中の生活をリアルにかつ繊細に描いたこの作品は、多くの人を魅了しています。

実はこの作品には、原爆が投下された広島市だけでなく、主人公のすずの嫁ぎ先である「軍都・呉市」が多く登場します。

この記事では、呉市出身である筆者が、映画「この世界の片隅に」で描かれたスポットを5箇所紹介していきます!

『この世界の片隅に』(映画)の作品概要

・原作者:こうの史代
・脚本・監督:片渕須直
・製作会社:「この世界の片隅に」製作委員会
・公開年:2016年


『この世界の片隅に』(映画)のあらすじ

『この世界の片隅に』では、第二次世界大戦中の広島を舞台に、主人公の女性「すず」が戦争を乗り越え生き抜く姿が再現性高く描いています。

1944年 (昭和19年)。18歳のすずは広島から呉にある北条家に嫁ぎます。戦況が悪化し、配給物資が減る中でも工夫して明るく毎日を生き抜くすず。そんな中、空襲から逃れようと入った防空壕の入り口で不発弾に被弾し、すずは自分の右手と姪っ子を失います。

喪失感から広島の実家に帰ろうと思っていた先に広島市内に投下された原爆。原爆投下から数日が経ち、夫とともに広島を訪ねたすずの前にあったのは、変わり果てた故郷でした。


こうの史代先生が「呉市」を舞台に選んだ理由とは?

こうの史代先生の作品の1つで、2003年に原爆をテーマにして作られた『夕凪の街 桜の国』。作品内では、「原爆スラム」と呼ばれる広島市基町を舞台に、戦後の日常生活の中にふとよぎる原爆投下の光景や、後遺症に苦しむ人々、またその人たちへの偏見がリアルに描かれています。

インタビューによると、この作品は広島県民以外からの反響もあり、多くの方が原爆について知るきっかけになったそうです。一方で、先生の中には「原爆以外、そしてふるさとでない場所の戦災」を描きたいという気持ちが生まれたんだそう。そこで、祖母と母が生まれ育った街である「呉」を舞台にした作品を描くことを決意しました。

また、『夕凪の街 桜の国』は、戦後を描いているのに「戦争マンガ」と言われることに違和感があったと言います。そのため、『この世界の片隅に』では、戦争中の普通の主婦の生活を描きたいと思ったそうです。



モデルとなった聖地5箇所を詳しくご紹介 



呉市は、広島県の南西部に位置する中核市です。

明治時代には第二海軍区鎮守府呉鎮守府)が開庁され、東洋一の軍港・日本一の工廠として名を轟かせていました。世界最大の戦艦「大和」などが建造され軍都として栄えた一方で、 太平洋戦争末期にはアメリカ軍による爆撃の対象となり1945年7月1日〜2日の「呉空襲」では2,000人もの市民が犠牲になりました。

ここでは、『この世界の片隅に』(映画)の舞台となったに呉市にある映画のスポット聖地(ロケ地)をご紹介します。


海上自衛隊の呉地方総監部



すずの夫・北條周作は、海軍軍法会議の録事を務める判任官三等でした。海上自衛隊の敷地から呉市立美術館の横を通って高台に向かって伸びる「美術館通り」の入り口にある赤い建物が、周作が勤務していた日本海軍呉鎮守府の跡地です。

1907(明治40)年に竣工した旧呉鎮守府庁舎は現在、海上自衛隊呉地方総監部庁舎となっています。イギリス積みが施された呉市に現存する代表的なレンガ構造物です。

現在は、日曜日に一般公開もされています。

https://www.city.kure.lg.jp/soshiki/67/m000027.html

三ツ蔵(旧澤原家住宅)


すずが高台にある家から呉の中心部へと歩くシーンで登場する「三ツ蔵」。ここは、
現在の呉市街で代々庄屋などの要職を務めてきた旧澤原家の住宅跡地です。

澤原家は、屋号を澤田屋として酒造業を営み数々の社会事業にも尽力したそうです。戦火を逃れて今も残る住宅跡地は外観のみ見学可能で、基本的に内部は一般公開されていません。

歴史の見える丘


国道487号
沿いの呉港を望む小高い丘に、「歴史の見える丘」はあります。この場所は、すずが爆弾によって姪っ子と右手を失ってしまったシーンのモデルとなったと言われています。

細長い敷地で整備されたこの公園からは、戦艦「大和」を建造した造船所のドックや、旧呉鎮守府庁舎、呉の山と海が一望できます。現在も、ジャパンマリンユナイテッドの造船ドックとして、大型船が建造されている様子を見ることができます。

千福・三宅本店



映画の中で、焼け野原となった呉の町にポツンと残るシーンが印象的なのが、呉市の酒造メーカーである「千福」の酒蔵の煙突です。

千福を醸造・販売している三宅本店は安政3年(西暦1856年)創業で、地元でも「千福いっぱいいかがです〜」のCMで有名です。三宅本店は映画を制作する上で貴重な資料を多数提供したこともあり、主人公のすずがラベルに貼られた限定酒も販売されています。店舗では、利き酒も体験できます。



https://www.sempuku-miyakeya.com/shopdetail/000000000177/



北条家があった高台の場所


北條家の住所は「広島県呉市上長之木町八百八番」とされています。旧上長之木町は現在の辰川地区にあたり、高台からは海を見下ろすことができ、映画と同じような風景が広がります。


辰川地区は呉駅から路線バスで15分ほどの場所ですが、一般の住宅街であるため、訪れる際には近隣住民に迷惑をかけないように注意しましょう。

大和ミュージアム&アレイからすこじま


映画の聖地でありませんが、呉を訪れたら是非立ち寄って欲しいのが「大和ミュージアム」です。

戦後60年に当たる2005年にオープンしたこの施設は、
10分の1戦艦「大和」が展示されているほか、大和が造られた背景や呉市の歴史についても触れることができます。


また 「アレイからすこじま」も訪れたいただきたいスポットです。

国内で唯一、潜水艦を間近で見ることができる公園で、海上自衛隊の潜水艦と護衛艦がイカリを下ろしています。戦艦・大和も近くのドックで極秘に建造されたことから、映画
『アルキメデスの大戦』も呉で撮影が行われました。


以上、この世界の片隅に』(映画)に登場したロケ地と、それにまつわる観光スポットをご紹介しました。

港町・呉は、歴史ある建物や絵になる町並みが多いことから、戦争にまつわる映画だけでなく、さまざまな作品の舞台となっています。


ぜひ一度訪れてみてください!




参考記事

「この世界の片隅に」ロケ地巡り

感動再び!広島・呉で映画「この世界の片隅に」の聖地巡礼 | 広島県 | トラベルjp 旅行ガイド

こうの史代先生『この世界の片隅に』インタビュー 祝!劇場アニメ化正式決定!! なんと、クラウドファンディングサービスで国内史上最高額3622万円到達!? | このマンガがすごい!WEB



ライター:たまぽん通信編集部 いなば

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