2024/02/08
愛知県
『八十亀ちゃんかんさつにっき』に学ぶ愛知・岐阜・三重の常識まとめ
『八十亀ちゃんかんさつにっき』(やとがめちゃんかんさつにっき)は名古屋を舞台に、ご当地ネタ満載のコメディタッチのアニメ(漫画)です。
愛知・岐阜・三重に住んでいる方なら「あるある」な情報が面白おかしく描かれています。
ここでは、アニメ版を中心にそんな「ネタ」を紹介しつつ愛知・岐阜・三重での常識をまとめてみました。愛知県民の筆者からみた考察もふまえて紹介していきます。
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『八十亀ちゃんかんさつにっき』とは
作品概要
『八十亀ちゃんかんさつにっき』とは、作者・安藤 正基(あんどう まさき)による漫画で、2016年に一迅社の『月刊ComicREX』の7月号から連載を開始しました。
また、2019年4月からTVアニメ化され2022年9月現在までに第4期までの全46話+特別編が放送されました。
『八十亀ちゃんかんさつにっき』は愛知県名古屋市を舞台としたコメディアニメ(漫画)です。ヒロイン・八十亀 最中(やとかめ もなか)を中心に、名古屋市の地位向上を目指したご当地アニメ(漫画)で、「地元あるあるネタ」でストーリーが展開していきます。
ちなみに、この「八十亀 最中」は、名古屋市の「観光文化交流特命大使」にも任命されている、名古屋市公認キャラクターでもあります。
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アニメPV
【2019年春アニメ】八十亀ちゃんかんさつにっき【番宣CM30秒Ver.】
【2020年1月5日から】八十亀ちゃんかんさつにっき 2さつめ【本PV】
【2021年1月10日から】TVアニメ「八十亀ちゃんかんさつにっき 3さつめ」PV
【2022年4月9日から】TVアニメ「八十亀ちゃんかんさつにっき 4さつめ」【PV】
あらすじ
物語は、主人公・陣 界斗(じん かいと)が東京都から愛知県名古屋市に引っ越してきたことから始まります。高校2年生の陣は、本作のヒロイン・八十亀 最中(やとかめ もなか)が通う高校に転校してきます。
八十亀は、名古屋弁まる出しの生粋の名古屋っ子の高校1年生。陣は何故か選択権もないまま写真部に入部することに。写真部には、愛知県名古屋市出身の八十亀、岐阜県出身で同じく1年の只草 舞衣(ただくさ まい)が在籍していました。
そして、もうひとり三重県出身の写真部部長で陣と同じ2年生の笹津 やん菜(ささつ やんな)、この4人を中心に物語は進みます。
『八十亀ちゃんかんさつにっき』に学ぶ地方の豆知識 ※ネタばれあり
『八十亀ちゃんかんさつにっき』アニメの冒頭では「※おことわり」として以下のような文章が表示されています。
"
この作品では、名古屋およびその周辺の方々への偏見が随所に見受けられます。
こちらはあくまでも、各キャラの主観にもとづくものであり事実とは異なる場合がございますことをご留意いただき、名古屋愛溢れる本作品をごらんください
"
こちらの記事も、上記同様暖かい気持ちで読んでいただければ幸いです。
1期1話「はじまり」
「エビフリャー」
名古屋の人はみんな「エビフライ」のことを「エビフリャー」とは言いません。
「うみゃあ」
作中で陣が八十亀に「どう?エビフライうまい?」と聞くと八十亀が「うみゃあ」と答えます。「うみゃあ」とは、「おいしい」「うまい」という意味です。ですが、使う人は非常に少ないです。
「ちんちん」
食後に八十亀が熱いお茶を飲んで「う~、ちんちん」と言います。これは「すごく熱い」という意味です。勘違いしないでください。これは、たまに耳にする言葉です。
1期2話「トーキョーもん」
「コメダ珈琲」
名古屋市で1968年に創業された喫茶店で、現在では全国展開され、2022年5月末のコメダ珈琲の公式情報では950店舗を展開中。最新情報では2022年、7/15東京都「新宿三丁目店」、9/1北海道「北見夕日ヶ丘店」、9/8沖縄「沖縄知花店」と北から南まで、コメダ人気が広まっています。今では、知名度はかなり上がっているのではないでしょうか。
「モーニング」
愛知県・岐阜県の喫茶店ではモーニングサービスは常識です。喫茶店ごとにサービス内容と時間に違いはありますが、午前の決まった時間までに「ドリンク」を注文するとサービスで「トースト」や「ゆで卵」「サラダ」などがついてきます。
当然、上記の「コメダ珈琲」にもモーニングサービスはあります。
「シロノワール」
シロノワールは、今では有名なコメダのデザートです。暖かいデニッシュパンの上に冷たいソフトクリームが載っていて、シロップをかけて食べます。昔はサイズも種類もレギュラーのみでしたが、最近はミニサイズや期間限定のものがあったりします。もともとのレギュラーサイズは、ひとりで食べるには大きすぎるのでミニサイズが登場しました。
1期第3話【認めにゃあ】
「名古屋に観光地はありません」
只草が言ったこの言葉・・・。ちゃんとあります。ですが、そのイメージが定着してしまっています。「名古屋城」や「熱田神宮」、「東山動物園」に「名古屋港水族館」などいろいろあるので、観光に来てください。
「メーエキ」「メイダイ」
「メーエキ」と言えば「名古屋駅」、「メーダイ」と言えば「名古屋大学」です。これは、普通にみんな使いますので憶えておきましょう。
1期第4話【撮れてにゃあ】
「名駅で待ち合わせと言ったら金時計しかにゃあ」
金時計はJR名古屋駅に併設されたJRセントラルタワーズ内にあります。八十亀のこのセリフは、ここで待ち合わせをする人が多いということで、ここしかないというわけではありません。
「飛翔」
八十亀が、「このとっきんとっきんなのが飛翔だでよ」と紹介していますが、これは名古屋駅前のローターリー交差点に存在するモニュメント。現在は解体中で、移設先を検討中です。
「とっきんとっきん」
尖っているという意味です。作中でも注釈がはいっています。
「ナナちゃん人形」
名鉄百貨店ヤング館前にある大型のマネキン人形で、1973年から存在しています。作中で八十亀が、「ナナちゃんにはするべき通過儀礼があるがね」とナナちゃんの股下をくぐりますが、こんなことをしている人はいません。
1期第5話【教えにゃあ】
「どこから来たの?」「名古屋です」
三重県出身の笹津と岐阜県出身の只草が陣と話をする中で、「例えば遠方で、どこから来たの?と聞かれたとき」に「三重」や「岐阜」と答えても「どこだっけ?」って言われるため、「名古屋です」って答えると話し、「つまり岐阜も三重も名古屋やねん」と言い切ります。
これは、あるあるで「愛知県です」って答えても「?」となるため、初めから「名古屋です」と答えるとすぐにわかってもらえます。
「天むすも味噌カツも三重やしな」「しかも最近は赤福まで名古屋土産と言われる始末や」
笹津のこのセリフ、「天むす」「味噌カツ」どちらも発祥は三重県の津市です。そして「赤福」は三重県の伊勢市の名物ですが、「名古屋駅売上NO1」と作中で言われています。実際に調べてみると常時1位から3位のTOP3に入る人気のようです。
愛知県在住の筆者も、『八十亀ちゃんかんさつにっき』で知るまでは「天むす」「味噌カツ」は名古屋発祥だと思っていました。
「岐阜はほんと何もないですから」「岐阜にしかないものなんて「阜」って漢字ぐらいです」
岐阜県出身の只草のセリフですが、自虐過ぎます。岐阜県には、世界文化遺産にも登録された「白川郷合掌造り集落」や「岐阜城」「下呂温泉」など多くの観光地があります。
「メーテツ」「メーコー」
陣が名古屋のことを知るために、笹津と只草に色々教えてもらう中で出てきた「メーテツ」は名古屋鉄道で「メーコー」は名古屋港と名古屋高速のふたつを意味します。
1期第6話【スガキヤいこみゃあ】
「スガキヤ」
笹津が「スガキヤは東海の学生の憩いの場みたいなもんや」と言っていますが、「スガキヤ」は、1969年から「寿がきや」としてチェーン展開を開始しており、中部地方や近畿地方の大規模ショッピングセンター内のフードコートを中心として店舗展開されています。現在は「Sugakiya」または「スガキヤ」と表記が変更されました。
八十亀も「スガキヤはただのラーメン屋じゃにゃあよ」「ファーストフードラーメンやがね」と言っていますが、子どもの頃から「スガキヤ」のお世話になっている人は多数存在し、幅広い世代から愛されています。
そして、ラーメンと一緒に提供されるラーメンフォークと呼ばれる先端にフォークがついているスプーンのようなものですが、1978年から登場し、2006年に形状が少し変更されました。元々はハシが無くてもラーメンが食べられて、スープも飲めるように開発されたものですが、このラーメンフォークはスープを飲むために使い、ラーメンはハシで食べている人がほとんどです。
また、ラーメン店でありながら、ソフトクリームなどの甘味も数種類販売されています。
「バカにしんでよ」
八十亀が陣に「絶対に、バカにしんでよ」と言い作中でも「バカにしないでよ」と注釈が入っていますが、陣は「バカに死んでよ?」と聞き直してしまいます。「しんでよ」は「せんでよ」とも言います。
1期第7話「そっちじゃにゃあ」
「しるこサンド」
八十亀が食べていた「しるこサンド」は、愛知県小牧市にある「松永製菓」で1966年から製造・販売されています。メーカーからも「変わらないこともひとつの価値とし、親、子、孫と三代にわたって末長く愛していただけるよう、変わらない味を提供し続けます」というこだわりの「おかし」です。
「おにぎりせんべい」「カニチップ」
「おにぎりせんべい」は三重県伊勢市に本社を置く「マスヤ」が1969年から製造しており、西日本を中心に販売されています。
「カニチップ」は、岐阜県の「ハル屋」が製造するスナック菓子で、1981年から製造され、岐阜県・愛知県・三重県で販売されています。
「ヤングドーナツ」「べビスタ―ラーメン」「クッピーラムネ」
陣が東京でも売っていたし、懐かしくて買ってきたという「ヤングドーナツ」と「べビスタ―ラーメン」「クッピーラムネ」。
「ヤングドーナツ」は岐阜県の「宮田製菓」で1988年から製造・販売されています。ドーナツ自体はもっと早くから製造されていて「ひとくちハニードーナツ」という大袋の商品から、4つ入りの「ヤングドーナツ」として販売されるようになりました。
「べビスタ―ラーメン」は、三重県津市にある「おやつカンパニー」(前身は松田産業)で1959年から「ベビーラーメン」として発売されたことに始まります。1973年に「べビースタ―ラーメン」に名称を変更されました。
「クッピーラムネ」は、愛知県名古屋市にある「カクダイ製菓」で1963年から製造・販売されています。ラムネ菓子自体は1950年から製造され、包装紙に包まれ販売されていました。
1期第8話「アキバじゃにゃあ」
「コメ兵」
「コメ兵」は、日本最大級のリサイクルショップで、1947年に愛知県名古屋市大須に古着屋として出店したことから始まります。
1951年に「合資会社米兵」として法人化され、1979年に株式会社となり、1987年に「株式会社コメ兵」に商号変更されました。2020年には「株式会社コメ兵ホールディングス」へと社名が変更されています。
「アメ横」
愛知県で「アメ横」と言えば名古屋市大須の「大須アメ横ビル」のことです。1977年に「ラジオセンターアメ横ビル(現在の第一アメ横ビル)がオープンし、1984年に「第二アメ横ビル」が誕生します。現在は「第3アメ横ビル」まで存在しています。
「大須」
陣が「大須って結局どうゆうとこなの?」と聞くと、八十亀は「グルメとか電化製品とかサブカルチャーとかいろいろだて」と答えます。すると陣は「あ~、秋葉みたいな感じか」と言い、それに対して八十亀は「全然違うわ~」と反論しますが、まあ秋葉みたいな感じです。ただし、大須ならではの下町感と特別な空気感を持った街です。
まとめ
『八十亀ちゃんかんさつにっき』に学ぶ愛知・岐阜・三重の常識まとめということで、1期8話までをピックアップして紹介してきました。
ご当地アニメということで、愛知県在住の筆者としては「あるある」な情報から、アニメを見て初めて知った情報までいろいろあります。他県の方が見たら、愛知・岐阜・三重のことがいろいろ分かってもらえると思います。ただし、少し誇張した表現のところもありますので、ご了承ください。
この記事を読んで『八十亀ちゃんかんさつにっき』に興味を持っていただき、愛知・岐阜・三重にも今まで以上に興味を持っていただけたのであれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
たまぽん通信編集部 呉東 和虎
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